藍ギンめも

どうかしたかい?と声を掛けられた。いえなんでも、と答える私の舌は妙にもたつき、やわらかな抑揚を付けた。不安になり、腕に巻き付けられた副官章を撫でる。そっと見遣れば、鈴蘭に似た花が描いてある。ああ大丈夫、私は思う。私は五番隊副隊長だ。
そんな夢を見たあくる日、めんどくさいもの飼うとるね、と憐れみを含んだ声で言われたことを、私は一生忘れないだろうと思った。

・藍ギン前提で雛森ちゃん


お前は酷い子だ、と呟けば、なんでやの、とからかいを含んだ声が問うた。
お前は酷い子だ。全てを与えるそぶりだけ見せて、結局なにひとつ与えてくれなかった。

・藍ギン。拘束後の藍染さん。



ほんまに殺せる、なんて、思わんかった。
ぽつり、と零された言葉を男は意識していただろうか。口を開きかけた女は、落ち着きが悪くなり、口をつぐんだ。少なくとも私が指摘することじゃない、と。
なんでアンタそんな淋しそうなの、なんて言える訳がない。

・市丸と松本。もしもの話。



あの男は死ぬのだ、と思った。己の心臓を手に掛けて、生きてゆける筈がない。
私は死ぬのだ、と思った。アレを手に掛けて生きてゆける筈がない。――アレは私の心臓なのだから。

・藍ギン。